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甲状腺腫瘍、唾液腺腫瘍、
頸部リンパ節腫脹
(首・頸部の病気)

甲状腺腫瘍について

首のしこりや違和感、
これって首の病気?

女性に多い首のしこりや違和感、これって首の病気?

甲状腺は新陳代謝を活発にする甲状腺ホルモンをつくる臓器で、前頸部の真ん中、のどぼとけの下あたりに位置します。

以下のような症状が見られる場合には、甲状腺疾患や甲状腺腫瘍の可能性が考えられますので、伊勢原駅南口徒歩1分のえびす耳鼻科いせはら耳鼻咽喉科・頭頸部外科へご相談ください。

甲状腺のしこりについて

甲状腺は、甲状腺全体が腫れる「びまん性甲状腺腫」と、甲状腺が部分的に腫れる「結節性甲状腺腫」に分類されます。びまん性甲状腺腫には、バセドウ病や橋本病のような甲状腺機能障害を伴う病気、結節性甲状腺腫には甲状腺腫瘍、甲状腺がんが含まれます。

バセドウ病とは

甲状腺ホルモンが過剰に分泌される「甲状腺機能亢進症」の中でも、代表的な疾患です。特に20~50代の女性に発症しやすく、主な症状としては、甲状腺の腫れ、眼球が飛び出る、物が二重に見える、頻脈、多汗、体重減少、手足のしびれや強い疲労感などが挙げられます。
TSH受容体抗体と呼ばれる自己抗体によって、甲状腺ホルモンが過剰産生されることが原因です。

橋本病とは

甲状腺ホルモンの分泌が低下する「甲状腺機能低下症」の中で、代表的な疾患とされています。特に20代後半~40代の女性に発症しやすく、主な症状としては、甲状腺の腫れ、全身のむくみ、皮膚の乾燥、徐脈(脈が遅くなる)、汗をかきにくくなる、寒く感じやすい、食欲低下、体重増加、無気力感、月経異常などが挙げられます。
橋本病もバセドウ病と同じように、自己免疫疾患の1つとして知られており、抗サイログロブリン抗体(抗 Tg 抗体) 、抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(抗 TPO 抗体)が陽性となることが知られています。また、稀に悪性リンパ腫などの悪性腫瘍を合併する場合があります。

甲状腺にできるしこり
(甲状腺腫瘍)の分類

良性腫瘍

甲状腺腫瘍良性腫瘍として代表的なものは、主に下記のものが挙げられます

  • 濾胞腺腫(ろほうせんしゅ)
  • 腺腫様甲状腺腫
    (せんしゅようこうじょうせんしゅ)
  • 腺腫様結節(せんしゅようけっせつ)
  • 嚢胞(のうほう)
  • 機能性甲状腺腫

など

悪性腫瘍(甲状腺がん)

悪性腫瘍のほとんどは乳頭がん、ついで濾胞がんといった分化がんで、一般的には進行が遅いのが特徴です。
しかし中には未分化がんのように、急激に発症し進行するものもあり注意が必要です。主に以下のものが挙げられます。

  • 乳頭がん
  • 濾胞がん
  • 未分化がん
  • 髄様がん(ずいようがん)
  • 悪性リンパ腫

甲状腺腫大、
甲状腺腫瘍の検査

甲状腺疾患の検査は通常の視診、触診による腫瘍の部位と性状の確認をまず行います。

甲状腺の性状の評価には超音波検査が有用です。それぞれの腫瘍によって特徴的な超音波像を示すことがあります。良性悪性の鑑別には、超音波ガイド下に穿刺細胞診を行うことで、腫瘍内部の細胞を一部採取することができます。血液成分を含み、良性悪性の鑑別がつかないこともあるので、100%の精度ではありませんが、診断の一助になります。

悪性腫瘍を疑う場合には、甲状腺の裏側には声帯を動かす反回神経が走行しているので、反回神経麻痺による声帯可動性の制限がないか、内視鏡検査で確認をします。

甲状腺ホルモンや自己抗体の採血も加味して診断につなげていきます。

甲状腺腫大、
甲状腺腫瘍の治療

甲状腺機能障害に対してはまずは内服治療が中心になります。バセドウ病には抗甲状腺薬を用いますが、無顆粒球症などの特徴的な合併症があり、内分泌内科での治療が望ましいです。内科的なコントロールがつかない場合には甲状腺全摘術や甲状腺亜全摘術といった外科的治療が選択されます。橋本病に対しては、低下した甲状腺ホルモンを補充する治療を行います。こちらも内科的治療中心になりますが、少ないとはいえ悪性リンパ腫などの悪性腫瘍の発生要因になることがあり、超音波検査は半年から年1回程度確認しておくのが安心だと思います。

甲状腺腫瘍に対しては、良性であれば超音波検査でのサイズフォローアップを行います。ただ、良性腫瘍でも大きくなって気道が圧迫されるようであれば手術的に切除が必要になります。悪性腫瘍であれば、基本的には切除をお勧めいたしますので、速やかに提携医療機関と連携いたします。

唾液腺腫瘍について

唾液腺とは?

唾液腺とは?口の周りには「大唾液腺」、口の中には「小唾液腺」という唾液を作る組織が存在します。特に、大唾液腺は大量の唾液を分泌し、耳下腺、顎下腺、舌下腺の3種類が存在します。耳下腺で作られた唾液は、上の奥歯付近の頬の内側から口内へ流れます。顎下腺や舌下腺で生成された唾液は、舌の裏側へと流れ込みます。

唾液腺腫瘍とは

唾液腺に生じる腫瘍です。頻度は耳下腺>顎下腺>舌下腺の順ですが、悪性の割合は耳下腺<顎下腺<舌下腺の順です。
組織型が非常に多彩で、良性腫瘍もさまざま、悪性腫瘍もさまざま、その悪性度もさまざまです。

良性腫瘍

主なものとして、多形腺腫やワルチン腫瘍が挙げられます。
痛みを伴わないことが多く、ピンポン玉程度のサイズになってから受診をされる方が多いです。多形腺腫が最も多いですが、組織像が多彩で術前診断が極めて難しいことと、多形腺腫のなかにはがん化するものがあるため、基本的には手術による治療が必要になります。

悪性腫瘍

良性腫瘍と同様、組織像がきわめて多彩で、低悪性度のがんから高悪性度のものまでさまざまです。
低悪性度のものは、良性腫瘍を疑って切除した結果、病理組織診断によりがんと診断されることがあります。
一方で、高悪性度のものは、急激に増大して痛みを伴い、顔面神経麻痺を起こすことがあります。様々な種類のがんが発生しますが、手術での切除が基本で、組織のタイプにより術後放射線治療が行われます。

唾液腺腫瘍の症状

耳下腺腫瘍では、耳の下に腫れが現れます。一方で顎下腺腫瘍の場合は、顎の下が腫れてきます。良性でしたら痛みを伴うことは少ないですが、悪性ですと、急速増大、痛み、顔面神経麻痺に注意が必要です。

唾液腺腫瘍の検査

視診、触診で大きさと可動性の確認、顔面神経麻痺の有無の確認と超音波検査を行います。必要により超音波観察下に穿刺細胞診を行い、診断の助けにします。
悪性を疑う場合はもとより、良性腫瘍疑いの場合も、手術を前提と考えておく必要があります。

唾液腺腫瘍の治療

良性だから放置しておいていいですよ、と説明を受けておられる患者さんがしばしばいらっしゃるのですが、よほど治療を受けられる体力がないとか、仮に悪いものでも絶対に治療をしないという固い意思をお持ち、といった特殊な事情がない限りは望ましくない対応です。
唾液腺腫瘍の正確な組織診断は切除標本によります。術前診断の難しさと、悪性化の可能性を考えれば、見つけた段階で手術を勧めて間違いではありませんので、放置せずに手術を前提とするのが基本です。

手術の難易度は耳下腺内を走行する顔面神経と腫瘍の位置関係に左右されますのが、近年では手術中の顔面神経モニタリングも可能になっています。提携医療機関で術前のMRIなどの画像評価を含め、治療方針を検討いただきます。

頸部リンパ節腫脹について

こんなリンパ節腫脹は注意が必要です

頸部のリンパ節の腫れが心配な場合は、放置せずに当院までご相談ください。

  • 大きさが1cm以上ある
  • 大きくなっている
  • 痛い
  • 硬い
  • 動きがわるい
  • 発熱や寝汗、食欲低下、体重減少などの症状がある

頸部リンパ節腫脹について

鼻腔や口腔、扁桃、咽頭などに細菌やウイルスの感染が起こると、頸部のリンパ節で活発な免疫反応が起こり、リンパ節の腫れが起こります。外から触って分かるほどになるまで腫れあがることもあります。
頭頸部がんがリンパ管を介して転移すると、がん細胞によるリンパ節転移として、頸部リンパ節の腫れが見られます。また、リンパ球自体が腫瘍化した悪性リンパ腫もリンパ節の腫れの原因となります。

頸部リンパ節腫脹の原因

リンパ節の腫脹の原因は、大きく分けて、炎症性と腫瘍性の2つがあります。

炎症性

上気道のウイルスや細菌感染に伴うリンパ節の腫れは頻繁に見られます。EBウイルスによる伝染性単核球症や、亜急性壊死性リンパ節炎などでは、有痛性のリンパ節腫脹が目立って起こります。その他にも、結核などの特殊な炎症でもリンパ節の腫れが見られます。

腫瘍性

鼻腔、口腔、咽頭、喉頭、唾液腺、甲状腺などの頭頸部がんがリンパ管を介して頸部に転移すると、頸部リンパ節の腫れが生じます。
また、リンパ球自体が腫瘍化した悪性リンパ腫など全身性の悪性腫瘍や、他の部位からのがんの転移によってリンパ節が腫れることがあります。左鎖骨上窩のリンパ節転移はウィルヒョウ転移と呼ばれ、主に腹腔内に発生した悪性腫瘍の転移部位として知られています。

頸部リンパ節腫脹の検査

頸部リンパ節腫脹に対しては、腫脹の原因検索と、リンパ節自体の精査が必要です。単発なのか、多発なのか、疼痛があるのかないのか、発熱や炎症症状を伴うかどうか、可動性があるかどうか等、問診・視診・触診である程度のスクリーニングを行いつつ、内視鏡検査による咽喉頭の観察、原因検索が必須です。
リンパ節自体の正常の評価には、超音波検査が有用です。疑わしい病変があり、必要性があれば組織採取、超音波観察下の穿刺細胞診が診断の助けになります。血液、生化学検査やウイルス検査が確定診断に必要なこともあります。

頸部リンパ節腫脹の治療

炎症性のリンパ節腫脹であれば、消炎剤や抗生物質を使用した保存的治療を行います。炎症の程度が強い場合には経口ステロイド剤を用いることもあります。
腫瘍性病変が疑われる場合には、頭頸部領域のみでなく、全身検索を行った上で治療方針が決定されます。悪性リンパ腫であれば、リンパ節生検などの組織採取も必須になりますので、高次医療機関での精査加療が必要です。可能な限り速やかに連携し対応致します。