鼻水・鼻づまりについて
鼻詰まりにより鼻呼吸がスムーズにできなくなると、ボーッとしてしまい集中力が低下したり、いびきや睡眠の質の低下にも繋がります。
鼻は、吸い込んだ空気を加湿・加温することで、のどや呼吸器の乾燥を防ぐ働きをしています。しかし、鼻詰まりがあると口呼吸の癖がつきやすくなり、のどや気管の乾燥を招きやすくなります。
鼻づまりの原因
鼻の粘膜のはれ
鼻炎やアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎をはじめ、肥厚性鼻炎や妊娠性鼻炎にかかると、炎症によって鼻の中の粘膜が腫れ上がることがあります。また、市販の点鼻薬を過剰に使用し続けることで薬剤性鼻炎による腫れの原因にも繋がります。
鼻漏(鼻水)
鼻炎や副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎にかかると、鼻の中に鼻水(鼻漏)が溜まりやすくなります。これによって鼻の空気の通りが悪くなり、粘膜が腫れやすくなります。
鼻茸
副鼻腔に生じた鼻茸が大きくなり、鼻腔にまで及ぶことがあります。それにより、鼻詰まりなどの症状が現れます。鼻茸を摘出するには手術が必要になる可能性があります。
中には良性腫瘍の乳頭腫がある場合があるため、検査を受けることが重要です。
鼻腔への異物混入
米粒やティッシュの切れ端、BB弾などが鼻の中に入ってしまい、鼻がつまることがあります。このような異物をそのままにしておくと炎症が発生し、鼻詰まりが悪化したり、膿性鼻水が出たりすることがあります。特に、小さな子供は親御さんが見ていない時に食べ物や小物を鼻の中に入れることがあり、見てみてびっくり、ということが稀にあります。
アデノイド増殖症
のどには、扁桃組織が豊富で、代表的なものに口蓋扁桃、咽頭扁桃(鼻の奥の上側)、舌扁桃(舌の付け根付近)があります。この中でも、咽頭扁桃は別名「アデノイド」とも呼ばれ、3〜6歳頃に相対的に最大になります。アデノイドは成長とともに退縮し、小さくなりますが、稀に成人の鼻咽腔に悪性腫瘍が発生する場合もあるため、注意が必要です。
軟骨や骨のゆがみ
鼻中隔弯曲症の方や、鼻中隔の外に存在している下鼻甲介が厚い場合は、気道(空気の通り道)が狭くなるため、鼻がつまりやすくなります。
鼻づまりの治療
アレルギー性鼻炎による
肥厚性鼻炎
内服
抗ヒスタミン剤や抗ロイコトリエン剤は、アレルギー性鼻炎に対して標準的に用いられる薬剤ですが、特に抗ロイコトリエン剤は鼻詰まりの改善に期待されている薬です。数週間使用を継続すると、鼻詰まりに効果が出てくることがあるとされます。
点鼻
ステロイドを含む点鼻薬を用います。ステロイドと聞いて「副作用がないか」と不安になる方もいらっしゃるかもしれませんが、長期にわたり安全に使用できることがわかっています。
一方、市販されている点鼻薬に多いのですが、血管収縮剤を含んだ点鼻液は、一時的には鼻詰まりが軽快するのですが、使用し続けるとかえって鼻詰まりが悪化する(薬剤性鼻炎)ことがあります。
鼻処置
鼻汁を吸引して鼻の中を清潔にします。
鼻洗浄
温めた生理食塩水を使用して鼻腔内を洗い流す方法です。鼻うがいとも呼ばれています。近年は家庭で使用できるキットも販売されています。アレルギー性鼻炎にも副鼻腔炎に対しても、使用法を守って継続いただくのが良いです。
手術
手術は主に、鼻腔粘膜焼灼術、後鼻神経切断術、粘膜下下鼻甲介骨切除術などがあります。
副鼻腔炎による
肥厚性鼻炎
内服
副鼻腔炎では、抗生物質を使用して消炎を図ります。アレルギー性鼻炎の関与が疑われる場合にはアレルギー性鼻炎の治療を併用して行います。
慢性期には、クラリスロマイシンの少量長期投与を中心に、3ヶ月程度治療を継続します。
点鼻
アレルギー性鼻炎を併発している場合にはステロイド点鼻が有効です。
鼻処置
鼻汁を吸引して鼻の中を清潔にします。
鼻洗浄(鼻うがい)
温かい生理食塩水を使って鼻腔を洗浄します。特に、膿汁が多い場合には有効とされています。近年は家庭で使用できるキットも販売されています。アレルギー性鼻炎にも副鼻腔炎に対しても、使用法を守って継続いただくのが良いです。
手術
点鼻薬や内服薬を用いた治療を続けても改善が見られない場合は、手術を提案することがあります。副鼻腔炎を発症している場合には鼻内副鼻腔手術を行い、その他の病気の場合は、患者さんの症状に応じて粘膜下鼻甲介骨切除や鼻粘膜焼灼を選択します。
鼻中隔弯曲症
軽症の方や手術を受けたくない場合には薬物療法を行いますが、手術が必要となる場合もあります。長期にわたり鼻閉が持続しているようなら検討するのがよいです。
副鼻腔炎による鼻茸
内服
抗炎症剤やマクロライド系抗生物質を1〜3ヶ月程度服用していただきます。効果にはばらつきがあるため、全く効果を実感できない場合もあります。
鼻処置
鼻汁を吸引して鼻の中を洗きれいにします。
鼻洗浄(鼻うがい)
温かい生理食塩水を使って鼻腔を洗浄します。特に、膿汁が多い場合には有効とされています。近年は家庭で使用できるキットも販売されています。鼻茸に対しても、使用法を守って継続いただくのが良いです。
手術
点鼻薬や内服薬を使用した治療、その他の処置方法などを行っても改善されなかった場合は、手術を選択します。手術では、鼻茸の切除と副鼻腔炎の手術を並行して実施することがあります。
アデノイド(特に幼児期)
咽頭扁桃はアデノイドとも呼ばれ、3〜6歳頃に相対的に最大になります。アデノイドは成長とともに退縮し、小さくなりますが、ひどいいびきや睡眠時無呼吸症候群が疑われたり、中耳炎を繰り返す場合には、検査や手術を実施することがあります。
点鼻液の常用
(薬剤性鼻炎)
血管収縮剤を含む点鼻薬は即効性があり、鼻詰まりの改善が期待できますが、長期間使用すると鼻の粘膜が肥厚する恐れがあります。これにより、かえって鼻詰まりが悪化することもあります。鼻の粘膜の肥厚がひどい場合は、肥厚性鼻炎手術を検討します。
妊娠性鼻炎
妊娠すると全身の血流が増加します。鼻の粘膜には毛細血管が多く集まっているため、血流が増えると毛細血管も広がります。その結果、鼻の粘膜が腫れることがあります。特に、妊娠後期に入ると血流が増加するため、元から花粉症を発症している方は腫れがひどくなりやすい傾向にあります。
治療では点鼻薬や鼻処置を用い、アレルギーに対しては内服治療も可能ですが、一気に改善される効果は期待できません。出産が終わると血流は妊娠前の状態に戻るといわれます。対症療法も参考にしてください。
乳頭腫、血管腫
などの良性腫瘍
自然と解消される可能性はほとんどないため、手術で切除します。とくに乳頭腫の中で、内反性乳頭腫と呼ばれるタイプは悪性化の可能性があり、早期の対応が望ましいです。
若年性鼻咽腔血管線維腫
10代の男性に多く見られる稀な病気で、鼻血が治りにくくなることがあります。この病気を治療するには、高次医療機関での治療が必要です。
悪性腫瘍
悪性腫瘍が鼻や副鼻腔に発生することも稀にあり、その場合は腫瘍によって鼻血や鼻詰まりの症状が現れます。この場合も高次医療機関での治療が不可欠です。
鼻水、鼻づまりを自宅で
軽減するケア方法
「夜中の鼻水や鼻詰まりに悩んでいるけど救急で受診するほどではない、けれど眠れなくて困っている」といった時にお勧めしたい方法があります。
症状がなかなか治らない、または悪化した場合は、お早めにご相談ください。
体をあたためる
ひどい炎症や発熱を伴っていない場合は、入浴して体を温めることで血行が改善し、鼻詰まりも解消されることがあります。また、蒸しタオルでも同様の効果が期待できます。
水で濡らして固く絞ったタオルを電子レンジで約1分間(時間は機種に応じて調整してください)温めると簡単に蒸しタオルが作れます。蒸しタオルを作る際は、火傷に注意してください。
鼻水を吸い取る
昔は赤ちゃんの鼻が詰まった時、お母さんが口で吸い取ることがありましたが、感染症のリスクがあるため、現在では推奨されません。
代わりに、市販の鼻吸引器やスポイトを使って吸い出すことをお勧めします。
鼻を拭く
濡れたティッシュで鼻の穴の周りに流れ出た鼻水を拭き取りましょう。この方法は特に、小さな子供に有効とされています。ただし、刺激性のあるアルコールなどが含まれたウェットティッシュは避けてください
先を小さく丸めたティッシュを鼻の中で回転させるようにすると、鼻水が多く取れることがあります。また、紙縒り(こより)を作って鼻の中をくすぐり、くしゃみを出すのもお勧めです。拭き取った後は保湿剤を塗ってあげると良いでしょう。
OTC医薬品を利用する
抗ヒスタミン剤は薬局で市販されています。鼻水に対するとりあえずの対症療法で抗ヒスタミン剤を使うこと自体は問題ないですし、一般的な総合感冒薬の中にも抗ヒスタミン剤を含むものがあります。薬局の薬剤師さんと相談して、体調、持病などを確認の上、使用してみるのも手段の一つです。
鼻づまりをスッキリ
解消させる方法
日常の工夫により、鼻詰まりを軽減したり解消したりすることも可能です。夜間や仕事中など、すぐに受診するのが難しい時に試してみてください。
これらの方法は一時的なものであるため、症状が長引いたり繰り返し発生したりしている場合は、できるだけお早めに耳鼻咽喉科へ受診することをお勧めします。
体操やツボなど
ボールやペットボトルを
使用して交感神経を刺激する
脇の下にボールやペットボトルなどの弾力性の高いアイテムを挟む方法は簡便です。鼻詰まりがある方向とは反対側の腋の下に物を挟んでください。
この方法を行うと、脇の下の交感神経が刺激され、一時的に鼻詰まりが良くなります。ただし、一時的な効果しか得られませんし、ペットボトルを20秒ほど挟んだ場合、鼻の通りが1~2分間だけ良くなる程度です。体が痺れることもあるため、やりすぎは禁物です。
痛みが少ない鼻うがい
温かい生理食塩水を使って鼻腔を洗浄します。家庭で使用できるキットが販売されています。使用法を守って使用してみてください。
OTC医薬品を利用する
抗ヒスタミン剤は薬局で市販されています。鼻詰まりに対するとりあえずの対症療法で抗ヒスタミン剤を使うこと自体は問題ないですし、一般的な総合感冒薬の中にも抗ヒスタミン剤を含むものがあります。薬局の薬剤師さんと相談して、体調、持病などを確認の上、使用してみるのも手段の一つです。
市販薬
血管収縮剤入りの点鼻薬の使用について
市販されている点鼻薬には多くの種類があり、それぞれアレルギーや炎症を抑える成分が工夫されています。その中でも、血管収縮剤が含まれている製品は、鼻甲介(鼻腔内のヒダの部分)の血管を収縮させ、速やかに腫れを抑えるため、効果が高く感じられます。
しかし、用法や用量に従わずに使用すると、かえって血流が悪くなり、症状が悪化する恐れがあり、長期的には点鼻薬を使っていないと鼻が詰まる、薬剤性鼻炎を引き起こします。説明書をよく読み、用法・用量を守って使用することが重要です。