- ファイバースコープ
(内視鏡)検査について - 当院で扱うファイバースコープ
- ファイバースコープ
(内視鏡)を使用する疾患・症状一覧 - 検査を行うメリット
- 検査料金(保険診療)
- 検査の手順
- 検査で寄せられる質問
耳・鼻・のどの
ファイバースコープ
(内視鏡)検査について
耳鼻咽喉科の診察は、狭い領域を見るところからはじまります。古くは額帯鏡にライトを反射させ、光を届けること、もちろんこれは今でも必要なスキルだと思いますが、この20年間の光学機器の進歩は凄まじく、白熱灯はLEDになり、ファイバースコープが電子スコープになり、ブラウン管が液晶になり、さらに内視鏡メーカー各社が画像強調技術を備えることで、かつては見えなかった病変や肉眼では観察できない早期癌までも視認できるようになりました。
耳鼻咽喉科の内視鏡検査は主に鼻から行います。そうすることで、オエっとなる嘔吐反射を少なく、鼻腔、副鼻腔入口部、上咽頭、舌根、声帯周囲(喉頭)や食道の入り口(下咽頭)を負担にならずに観察することができます。下咽頭は通常は塞がった状態で、食道の入り口まで見るには工夫が必要です。Modified Killian's Methodという方法を用いて観察を行います。
また、口蓋扁桃(いわゆる扁桃腺)をはじめとした中咽頭領域は、鼻からの内視鏡検査では接線方向になり、十分に観察できません。この部位には経口的観察を用いることで、肉眼を超える内視鏡の利点を発揮することができます。
内視鏡検査は形態的な異常を観察できるだけでなく、発声時の声帯の運動や、飲み込み時の運動も観察することができます(嚥下内視鏡検査)。
当院で扱う
ファイバースコープ
当院では、PENTAX社の最新の内視鏡検査システムを導入しました。がんにみられる血管異型や、炎症を検出しやすくするいくつかの画像強調技術を備えたすぐれた内視鏡の目と、見えない部位に光を当てる診断技術と機能評価で、一歩進んだ内視鏡検査・内視鏡診断を目指しています。
最新型内視鏡検査
(鼻咽腔ファイバー)
Modified Killian's Method
構造的に下咽頭は通常は塞がった状態で、十分に見るには工夫が必要です。おじぎをしたような体勢と、左右への首のひねり、息こらえを併用することで、簡便に下咽頭をひろげて食道入口部の一部を明視下におくことができます。
この方法はModified Killia's Methodと言い、酒井昭博博士によって開発されました。多くの方で特別な前処置を必要とせず、従来見えなかった部位を見る優れた方法で、癌の発見のみならず、病変の進展範囲の確認、異物の検索にも力を発揮します。
経口観察
鼻からの内視鏡検査では接線方向になり、十分に観察できない部位が口蓋扁桃(いわゆる扁桃腺)をはじめとした中咽頭領域です。この部位には敢えて口からの内視鏡検査を行うことで、肉眼に勝る内視鏡の特徴を活かすことができます。
患者さんに口を開けていただき、舌を前方に牽引した状態で、「エー」と発声してもらいながら内視鏡を経口的に挿入します。ほとんどの患者さんで特別な前処置を必要としません。
この方法を用いて、咽頭違和感から中咽頭癌を発見した例、原発不明癌(どこからきたかわからない癌)の原発巣を発見できた例、実際に中咽頭領域の癌を発見しやすくなることを報告してきました。
嚥下内視鏡検査
嚥下内視鏡検査は、通常の喉頭ファイバースコープに追加して、着色水や検査用ゼリーなどを飲み込むことで嚥下運動を観察する検査です。いくつかの項目をスコア化することで、経口摂取が可能かどうかについて判断ができますし、むせ込みの程度の評価やリハビリテーションの方法、食事形態の提案などにも活用することができます。
嚥下障害も、稀に悪性腫瘍が原因になっていることがあり、注意が必要です。食道入口部についてよく観察ができないようなら、上部消化管内視鏡検査をお勧めすることもあります。
ファイバースコープ
(内視鏡)を使用する疾患・
症状一覧
鼻
-
慢性副鼻腔炎
(鼻汁、鼻茸、真菌など):
鼻づまりや鼻水が続く場合に行います。術後の方を除けば、副鼻腔の内部まで視認することはできませんが、副鼻腔入口部の詳しい観察を通して副鼻腔の状態を推測します。 - 鼻出血:
頻鼻出血の原因を探るために、鼻腔の内部を確認します。 - アレルギー性鼻炎:
慢性的な鼻づまりや鼻水が続く場合に、鼻粘膜の状態を評価します。 - 鼻中隔弯曲症:
鼻の内部の構造を確認し、通りの悪さや鼻づまりの原因を調べます。 -
腫瘍の疑い:
鼻副鼻腔には良性悪性含め様々な腫瘍ができることがあります。腫瘍が疑われる場合には、部位と状態の確認をします。 - 鼻内異物:
鼻に異物が入り込んだ場合、その位置や取り除き方を確認します。 -
嗅覚障害:
嗅覚の低下や異常を訴える場合に、鼻腔内の異常を確認します。
のど
- 声帯ポリープ、声帯結節:
声のかすれや声が出しづらい場合に、声帯の状態を評価します。 - 咽頭炎、喉頭炎:
のどの痛みや違和感が続く場合、咽頭・喉頭粘膜の状態を確認します。 - 扁桃の肥大や炎症:
扁桃に炎症があるかどうか、扁桃腺の肥大の程度、腫瘍性病変が疑わしいかを確認します。 - 喉頭がんや咽頭がんの疑い:
持続的なのどの違和感、声の変化、痛みがあったり、悪性腫瘍を心配される患者さんに行い、がんの有無を確認します。 - 嚥下障害:
食べ物や飲み物を飲み込みにくい場合、のどの内部の構造や動きを観察します。 - 異物感(咽喉頭異常感症):
のどに何かが詰まっているような感覚がある場合、その原因を探るために行います。 - のどの腫瘍や嚢胞の疑い:
のどに異常な腫れやしこりがある場合、その状態を確認します。 -
睡眠時無呼吸症候群:いびきや睡眠中の呼吸停止が疑われる場合に、上気道の狭窄や閉塞の原因を調べます。
検査を行うメリット
内視鏡検査を行うメリットは、ご自身では見ることができない部位を、肉眼を超える観察精度で確認できる、ということに尽きます。それ自体は機械があればできることなので、どこの耳鼻咽喉科で診ていただいても同じことだと思います。
強いて当院でのメリットを挙げるなら、見慣れている人の目と手で、他とは違う工夫のもとに確認できる、という点でしょうか。時間的な変化も重要な所見で、電子スコープで検査した結果は保存して見直し、お示しできるようにしています。
それぞれの患者さんが求められる程度にもよるのですが、必要と思っていただいた患者さんに対して、最大限の診察精度でお応えできるようにつとめます。
検査料金(保険診療)
1割負担(税込) | 3割負担(税込) | |
鼻咽腔・ 喉頭ファイバースコープ | 600円 | 1,800円 |
嚥下内視鏡検査 | 720円 | 2,160円 |
中耳ファイバースコープ | 240円 | 720円 |
※診療費用に上記金額が追加されます。
検査の手順
1鼻内のスプレー
鼻に局所麻酔薬(キシロカイン)と血管収縮薬のスプレーをします。局所麻酔薬にアレルギーがある患者さんはあらかじめお伝えください。通常よりは痛みますが、ファイバースコープを湿らせることで検査が可能な場合があります。
2内視鏡の挿入
広い方の鼻腔から内視鏡を挿入します。鼻腔、咽喉頭をくまなく観察します。腫瘍疑いや嚥下障害の患者さんでは、Modified Killian's Methodや経口的観察などの観察方法を併用します。
全体的に、無痛、というわけにはいきませんが、患者さんの持っておられるイメージよりは楽に検査を行うことができるので、できるだけリラックスして鼻呼吸を心がけてください。
3結果の共有
電子スコープで撮影した画像を供覧し、病変部位や症状の原因についてその場でお話しいたします。通常のファイバースコープでは、写真の保存ができませんので、口頭やお絵描きでのご説明になることはご了承ください。
ファイバースコープ(内視鏡)検査で当院に寄せられる質問
内視鏡検査を受けたいのですが、怖くて心配です。
カメラは非常に細く、鼻やのどを観察する際には、挿入前に鼻へ麻酔液をスプレーします。それでも心配な場合は、内視鏡に痛み止めのジェルを塗布します。小学校高学年以上の年齢でしたら、検査はスムーズに進められます。局所麻酔薬のアレルギーなどで麻酔ができない場合でも、内視鏡を十分に湿らせることで施行可能です。
経験的には、怖くて心配と言われる方でも検査自体ができなかったことはありませんし、怖がる幼児の患者さんでも、しっかり体を固定してあげれば検査を行うことはできます。
いろいろ心配になりやすい患者さんが検査自体に対しても心配され、検査を行わない、という選択をされることはしばしばあります。どうしてもとは言いませんが、検査を受けることで得られるメリットの方が圧倒的に大きいので、そういった方こそ検査を受けて診断精度を高める選択をするべきと考えています。
内視鏡で診察をする場合、
注射での麻酔は必要ですか?
注射での麻酔は行いません。
鼓膜を診る場合には、痛み止めや麻酔は不要です。鼻やのどを内視鏡で診る際には、鼻に局所麻酔液をスプレーし、必要により内視鏡には痛み止めのジェルを塗布します。Modified Killian's Methodや、経口的観察は少し嘔吐反射を催す方もおられるので、必要により経口的に麻酔液のスプレーを咽喉頭にも追加で噴霧します。
検査中にのどの痛みはありますか?
内視鏡自体にある程度の太さがあり、これは内視鏡の画質と診断精度を担保するためと、細すぎるファイバーはむしろコシがなく、鼻腔内で安定せず扱いにくいためなのですが、太さのあるものが鼻に入りますので、全く無痛、というわけではありません。しかし、痛みのため検査の継続が困難、ということはほぼありません。
感じ方には個人差がありますが、軽い痛み、不快感や異物感、という表現が大多数の方に当てはまると思います。検査は数分で終了します。敏感な方でもリラックスできるよう配慮します。
嘔吐反射が起こらないか心配です。
内視鏡検査というと胃カメラを思い浮かべる方が多いため、どうしても嘔吐については気になるところかと思います。
耳鼻科の内視鏡検査では、ほとんどの患者さんで検査に支障をきたすほどの嘔吐反射は起こらず、問題になりませんが、敏感な患者さんでは経鼻のみでなく、経口的にも局所麻酔を行い、できるだけリラックスしていただくことで反射を最小限に抑えます。
喫煙などによる慢性炎症のある患者さんでは嘔吐反射が起こりやすいので、禁煙に挑戦いただくのも良いかと思います。
のどに違和感があるのですが、受診日でも内視鏡で診てもらうことは可能でしょうか?
可能です。胃カメラ検査とは違い、検査前の食事制限などは必要ありません。何も気にせず、お好きなタイミングで受診してください。
検査は数分程度で完了するため、気軽に受けていただけます。のどのがんを疑う場合や、嚥下内視鏡検査ではやや時間を要しますが、それでも数分程度です。
内視鏡を耳に入れた時に、痛みは出ますか? 子供でも受けられますか?
痛みはほとんど感じません。検査は短時間で終了するため、1歳からでも受けていただけます。麻酔を行う必要もありません。
事前に準備しなければならないこと(食事制限など)はありますか? また、受診当日でも内視鏡検査を受けられますか?
事前準備は特に必要ありません。
また、受診した当日に、診察中の相談を通して内視鏡検査を行うことも可能ですし、どちらかというと医師が必要を感じてその場で内視鏡検査をお勧めする場合がほとんどです。もちろん、患者さんの希望により実施することも可能ですので、お気軽にご相談ください。
内視鏡検査で診れる範囲について教えてください。
外耳道、鼓膜、鼻腔、副鼻腔入口部、上咽頭、中咽頭、舌根、声帯周囲(喉頭)や食道の入り口(下咽頭)を診ることができます。頸部食道も一部視認できますが、食道の詳しい検査には上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)が必要になります。胃カメラが必要な方には、専門の医療機関へご紹介します。
副鼻腔炎については、内視鏡と症状によってある程度診断をつけられますが、副鼻腔の中を覗くことはできません。そのため、CT検査の併用を推奨しています。
内視鏡検査を受けた後はすぐに帰宅できますか?
特に問題がないと判断できましたら、検査後すぐにご帰宅いただけますが、検査中に気分不良などありましたら局所麻酔の効果が切れるまで、数十分待機していただくこともあります。局所麻酔の効果が切れた後は、普段通りの過ごし方をしても問題ありません。
検査についてご不明点等ございましたら、お気軽にご相談ください。
検査中は呼吸できますか?
はい。内視鏡検査を受けている間でも口または鼻で呼吸できます。
ゆっくりとした鼻呼吸を意識して行っていただくと、不安感や緊張が減り、リラックスしながら検査を受けていただけます。医師が注意深く状況を観察しながら進めますので、息苦しさを感じないまま検査を受けていただけます。
検査結果が出るまで、
どれくらいかかりますか?
検査直後に結果を説明します。組織採取をした場合には、1-2週間程度の期間、組織診断を待つ必要があります。検査結果を基に今後の治療方針が決まりますので、分からないことがありましたら医師にご相談ください。
のどにがんができていないか心配です。
お悩みでしたら、当院の内視鏡検査をお勧めします。
当院の内視鏡は画像強調技術が搭載されており、早期がんの病変でも、肉眼を超える診断精度をもっています。また、院長は長年、大学病院でがんの診療に携わってきた経験があり、病変を見つけることに長けております。どうぞ安心して検査を受けてください。